起工式の様子
起工式の様子
(出所:日経BP)
[画像のクリックで拡大表示]
地元に伝わる神楽を披露
地元に伝わる神楽を披露
(出所:日経BP)
[画像のクリックで拡大表示]
山林に立地する
山林に立地する
(出所:日経BP)
[画像のクリックで拡大表示]
完成予想図
完成予想図
(出所:レノバ)
[画像のクリックで拡大表示]

 再生可能エネルギー発電事業者のレノバ、中国Sky Solar Holdingsは5月22日、岩手県軽米町において、出力約41MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)「軽米尊坊ソーラー発電所」の起工式を開催した。

 軽米町小軽米にある山林などを用地とし、太陽光発電設備を設置する。27人の地権者から土地を借りている。

 林地開発許可を得て開発することから、敷地内に残置森林や植林する場所を確保する必要があり、約114haの事業面積のうち、開発面積は約58haとなっている。

 発電事業者は、特定目的会社(SPC)の軽米尊坊ソーラーとなる。出資比率はレノバが46%、Sky Solar Holdingsが45%、NECキャピタルソリューションが9%となっている。

 もともと、Sky Solar Holdingsが開発を進めていたプロジェクトに、レノバとNECキャピタルソリューションが参加し、SPCに出資した。

 レノバ、Sky Solar Holdingsともに、これまで軽米町においてメガソーラーの開発実績がある。レノバにとっては軽米町で3カ所目(関連ニュース)、Sky Solar Holdingsにとっては2カ所目の着工となった(関連コラム)。

 Sky Solar HoldingsのHao Wu会長によると、買取価格は36円/kWh(税抜き)で、稼働後は東北電力に売電する。2021年10月に売電を開始する予定となっている。

 EPC(設計・調達・施工)サービスは、関電工が担当する。同社は、本業の電設の知見を生かし、太陽光発電所のEPCサービスを多く手がけているだけでなく、自社で12カ所の太陽光発電所を開発・運営している。

 太陽光パネルは、Sky Solar Holdingsのブランド品を採用する。同社が日本で開発しているメガソーラーでは、同じように自社ブランドのパネルを採用している。パネルは自社で製造しておらず、OEM(相手先ブランド製造)で調達している。

 約15万枚のパネルを、元の地形を生かしながら並べる。レノバのこれまでのメガソーラーと同様に、造成を最小限にとどめ、起伏をそのままとし、杭基礎を使ってパネルを固定する。

 パワーコンディショナー(PCS)は、中国の華為技術(ファーウェイ)製を採用した。出力40kW機を788台設置し、いわゆる分散型となる。

 太陽光パネル出力の約40.8MWに対して、PCS出力は31.52MWとなっている。

 開発資金の一部は、プロジェクトファイナンスによる融資で賄う。みずほ銀行が主幹事を務め、岩手銀行、東北銀行、北日本銀行、みちのく銀行、山形銀行、⻘森銀行、秋田銀行、北都銀行、東邦銀行、荘内銀行という東北の地方銀行が10行のほか、かんぽ生命保険、日本生命保険が融資に参加した。

 また、今回のメガソーラーは、農山漁村再生エネルギー法を活用した事業となり、売電収入の一部を軽米町に寄付する。施工時は、地元の中学校の廃校舎を現場事務所として活用するほか、 地元企業の活用、地元の森林組合との協業などを通じて、地域の活性化や経済貢献に寄与したいとしている。

 レノバの木南陽介社長によると、メガソーラーの施工による雇用では、2017年4月に着工した約80.8MWの「軽米東ソーラー」で作業者数が約450人に上り、今回の同約41MWでさらに約150人が加わるという。

 一方、軽米町では、集積しつつあるメガソーラーによる地域の活性化の一環として、メガソーラーの管理の一部を担う組織の立ち上げを検討している。草刈りなどを含め、複数の大規模なメガソーラーからのO&M(運用・保守)関連の作業を受託することで、地域の雇用の受け皿となりうる。

 今回のメガソーラーのO&Mは、ミライト・テクノロジーズ(大阪市西区)が担当する。

 軽米尊坊ソーラーは、レノバにとって12カ所目の太陽光発電所となる。

 一方、Sky Solar Holdingsは、中国と日本、北米・南米で太陽光発電所を開発・運営している。

 日本では、70カ所以上・合計出力100MW以上の太陽光発電所が稼働済みで、開発中(パイプライン)の案件が200MW弱の実績がある。

 日本を除く世界全体では、合計出力100MW以上が稼働済み、開発中が同200MW以上としている。