総務省は、第5世代移動通信(5G)システムの総合的な実証試験(5G総合実証試験)を開始する。同省は2020年の5Gの実現を目指して、要素技術の研究開発や、国際標準化を進める国際連携の強化、5G用に割り当てる周波数帯の確保などに取り組んでいる。2017年度は、携帯電話事業者や研究機関を実施主体に様々な利活用分野の関係者が実験に参加。高精細映像の収集配信や遠隔医療、車両や建機などの遠隔監視、物流・在庫管理など、多様な利活用を想定した具体的な用途を想定したプロジェクトを実施する。

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ドコモは「エンタメ」「スマートシティー」「医療」

 NTTドコモは「エンターテインメント」「スマートシティー/スマートエリア」「医療」の3つの応用分野に着目し、各分野の応用サービスを想定した実証試験を始める。

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 エンターテインメント分野では、人口の密集する都市環境での高精細映像・音響コンテンツの配信試験を実施する。観光用映像コンテンツやニュース、広告を車両などの高速移動体への配信試験も行う。

NTTドコモによるエンターテインメント応用分野での実証試験イメージ(図:NTTドコモ)
NTTドコモによるエンターテインメント応用分野での実証試験イメージ(図:NTTドコモ)
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 スマートシティー/スマートエリア分野では、イベント会場や人の多く集まる場所に配置した監視カメラ、警備員が携行するウエアラブルカメラなどの映像を集約・分析する広域監視の実証試験を行う。医療分野では、高度医療が可能な総合病院と地域の診療所をつなぎ、遠隔診療を実現する高精細診断映像伝送やリアルタイムコミュニケーションを実証する。

 東部タワースカイツリーや、綜合警備保障(ALSOK)、和歌山県など17事業者・団体がパートナーとして協力する。実施場所は、東京都のスカイツリー周辺やお台場に加え、神奈川県や栃木県、静岡県、和歌山県など。実施期間は2017年6月~2018年3月末を予定する。

NTTドコモによるスマートシティー/スマートエリア応用分野での実証試験イメージ(図:NTTドコモ)
NTTドコモによるスマートシティー/スマートエリア応用分野での実証試験イメージ(図:NTTドコモ)
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NTTドコモによる医療応用分野での実証試験イメージ(図:NTTドコモ)
NTTドコモによる医療応用分野での実証試験イメージ(図:NTTドコモ)
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