京セラと電気自動車(EV)メーカーの中国BYD(比亜迪)の日本法人ビーワイディージャパン(BYDジャパン、横浜市)は5月20日、京セラ製太陽光発電システムの電力をBYDジャパンの電動バスなどで最大限に活用する再生可能エネルギー「需給一体型」の新たなビジネスモデルに向けた協業を6月から開始すると発表した。

 今回の協業では、京セラは再エネ電源の供給のほか、VPP(仮想発電所)実証実験で培ったアグリゲーション技術を活用して電力の需給バランスを最適制御する電動バス向け充電管理システムの開発などを担当する。

 BYDジャパンは、小型電動バス「J6(ジェイシックス)」など日本市場に最適な車両の提供と、電動バスの開発で培った知見を活用し、電力消費サイドからの課題抽出と解決に向けたコンサルティングを行う。

 「需給一体型モデル」では、発電と消費をセットにして需給バランスを担保しながら、再エネ電力を100%有効活用する。京セラは今後、自治体や電力小売り、送配電事業者の協力を得ながら、同モデルを一般住宅やカーシェアリングサービスなどコミュニティ全体の自立電源としての利用も視野に入れる。2020年に実証実験を開始し、2021年以降に「再エネ・需給一体型ビジネス」の事業化を目指す。

「需給一体型」電力供給のイメージ
「需給一体型」電力供給のイメージ
(出所:京セラ、BYDジャパン)
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 日本では現在、環境負荷の少ない自動車の普及および使用の促進、自家用自動車から環境負荷の少ない公共交通機関への誘導が推進されている。経済産業省では「2050年までに自動車1台あたりの温室効果ガスを2010年比で8割程度削減、乗用車は9割程度削減を目指す」という目標を掲げている。