2014年に設立したベンチャー企業rimOnO(リモノ)は2016年5月20日、超小型電気自動車(EV)「rimOnO」の試作品を披露した。「小型、スロー、人にやさしい」をコンセプトに、エコや高齢化、街のコンパクト化といった課題に挑戦する考えだ。現在の国内の「超小型モビリティ制度」では、大人2人が乗れるモビリティーは限られた地域でしか走行が認められない。社長の伊藤慎介氏は、積極的に制度改革を提案していくとした上で、「道と人と乗り物の関係を見直すきっかけとして、新しい街づくりを提案していきたい」と意気込みを見せた。

超小型電気自動車「rimOnO」と開発陣。右から2番目が、rimOnO社長の伊藤慎介氏。
超小型電気自動車「rimOnO」と開発陣。右から2番目が、rimOnO社長の伊藤慎介氏。
[画像のクリックで拡大表示]

 大きさは全長2.2m×全幅1.0m×全高1.3mと、極めて小型だ。大人2人もしくは大人1人と子供2人が乗車できる。車両質量は320kgで、最高速度が45km/h、充電1回当たりの航続距離が50kmのものを検討している。交換式のバッテリーで長距離走行を担保する考えだ。ボディーはやわらかい布製で、人との接触時のダメージが少なく、異なる色や柄のものに「着せ替え」も可能だという。

ボディーはやわらかい布製で、接触時のダメージが少ない。
ボディーはやわらかい布製で、接触時のダメージが少ない。
[画像のクリックで拡大表示]

 従来のクルマと比較して、小型でやわらかいため圧迫感が少なく、より人に身近な場所での活用を見込む。例えば、ショッピングモールの建物の中に入り、店先で停車しておくことで、高齢者の負担削減に役立てられるという。高速で走行する大型トラックなどとの並走は乗員に恐怖感を与えかねないことから、街中の細い道での走行を想定している。商業施設が一定額以上の買い物をした客に無料でrimOnOを1日貸し出すといったサービスも考えられるという。仕事帰りに買い物をしてrimOnOを借りた足で子供を迎えに行き、翌日の朝出社前に返却するといった利用が可能になる。