ヒツジの親子
ヒツジの親子
(出所:SBエナジー)
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ヤギ
ヤギ
(出所:SBエナジー)
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「B-2」区域内と外周部分が対象 
「B-2」区域内と外周部分が対象 
ヒツジ4頭とヤギ2頭で除草(出所:SBエナジー)
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 ソフトバンクの子会社の再生可能エネルギー発電事業者であるSBエナジー(東京都港区)は5月20日、鳥取県米子市で運営している出力約43MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)「ソフトバンク鳥取米子ソーラーパーク」において、ヒツジとヤギによる除草の試験を実施すると発表した。

 発電事業者である、同社と三井物産の合弁によるSPC(特定目的会社)、鳥取米子ソーラーパークが、地元で建設などを手掛ける大協組(鳥取県米子市)と共同で、5月27日に開始する。

 同メガソーラーでは、これまで定期的に同様の試験に取り組んできた(2014年の関連ニュース2015年の関連ニュース)。

 その結果、一定の除草効果に加えて、エンジン式の草刈り機を使う場合に比べて、二酸化炭素の排出抑制効果だけでなく、メガソーラーや隣接地の「とっとり自然環境館」への集客効果(来館者数)が大幅に高まることがわかり、地域の住民や職場へのセラピー効果などが成果として得られていると強調している。

 今回は、5月27日~10月30日まで、ヒツジ4頭とヤギ2頭で除草する。メガソーラーの「B-2」区域内と外周部分の合計約7万2000m2を対象とする。

 除草の主な対象には、ツル性の植物であるクズを想定している。ツル性の植物は、外周を囲うフェンスに絡みついて壁のようになり、フェンスが倒れるといったトラブルを招くことで知られている(関連コラム)。

 フェンスに近い太陽光パネルに影が覆い、発電量の低下の原因にもなるという。

 クズは、ヒツジやヤギの好物のため、好んで食べることを期待している。

 また、ヒツジのうち1頭には、GPS(全地球測位システム)の受信器を装着する。一日あたりの移動距離や行動範囲、頻繁に滞在する地点などデータを採る。このデータを、エリア内の植生情報と照合することで、ヒツジが好んで食べる植物の種類と特徴が、試験前の予想とどの程度、合致するか調査する。