UNSWが開発した分光型太陽電池モジュール
UNSWが開発した分光型太陽電池モジュール
(写真:Rob Largent/UNSW)
[画像のクリックで拡大表示]
プリズムなどによる分光の様子と利用する太陽電池セル
プリズムなどによる分光の様子と利用する太陽電池セル
図では分かり易さのために、900n~1050nmの波長帯を黄色にしているが、実際には近赤外領域の光で目には見えない。(図:Rob Largent/UNSW)
[画像のクリックで拡大表示]
この太陽電池モジュールを開発したUNSW Senior Research FellowのMark Keevers氏
この太陽電池モジュールを開発したUNSW Senior Research FellowのMark Keevers氏
(写真:Rob Largent/UNSW)
[画像のクリックで拡大表示]

 オーストラリアUniversity of New South Wales(UNSW)は、プリズムを利用して分光した太陽光をそれぞれ太陽電池で電力に変換するタイプの4接合型太陽電池モジュールで変換効率34.5%を達成したと発表した。非集光での太陽電池モジュールとしては世界最高記録となる。分光型太陽電池の従来の変換効率は約24%で、一気に1.44倍になった。

 この分光型太陽電池は、太陽光をプリズムに入射させ、波長が約900n~1050nmの近赤外線を分離してSi系太陽電池セルに照射し、残りの光や赤外線を3接合型の化合物太陽電池セルに照射することで変換効率向上を図ることを狙った太陽電池である。モジュールの実効面積は28cm2だという。

 このモジュールを開発したUNSW Senior Research FellowのMark Keevers氏は2014年12月、同様な分光型太陽電池モジュールに集光した太陽光を照射することで、変換効率40%を達成している(関連記事)。今回は、非集光での記録を更新した。