今回開発した3接合型化合物太陽電池モジュール(写真:シャープ)
今回開発した3接合型化合物太陽電池モジュール(写真:シャープ)
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今回の太陽電池セルの構造(図:シャープ)
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 シャープは、3接合型の化合物太陽電池で非集光時のモジュール効率31.17%を達成したと発表した。モジュールの寸法は約31cm角(面積968cm2)と大きい。面積が1.047cm2の太陽電池セルではシャープ自身が37.9%という値を達成済みだが、大型のモジュールでの31.17%は世界最高水準といえる。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトの一環として開発したとする。

 これまで、化合物太陽電池の用途は人工衛星などだった。一般に多接合型の化合物太陽電池の価格は、同面積のSi系太陽電池の数十倍であることが多い。このため、人工衛星のような特殊用途以外には用途の広がりに欠けていた。

 今後、シャープは、さらなる高効率化と低コスト化を追求し、軽量であることが重要な移動体などの地上での用途開拓にも取り組むという。