サニックスの売上高と営業利益率の推移と見通し
サニックスの売上高と営業利益率の推移と見通し
SEはソーラー・エンジニアリング事業部門、HSはホーム・サニテーション事業部門、ESはエスタブリッシュメント・サニテーション事業部門(出所:サニックス)
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 サニックスが5月13日、2016年3月期の連結決算を発表した。太陽光関連事業の大幅な落ち込みが続き、最終損益は46億円の赤字となった。同社は、希望退職を追加で500人募集するともに、パワーコンディショナー(PCS)の生産規模を縮小するなどのリストラ計画を発表した。

 2016年3月期の売上高は619億1600万円となり前の期に比べて35.3%の大幅な減収となった。経常損益は19億4900万円の赤字、最終の当期純損益は46億400万円の赤字となった。赤字幅は2015年3月期に比べ縮小したものの、急速な減収にコスト削減が追い付かず、赤字体質から脱することができていない。

 同社は太陽光発電システムの販売から施工、メンテナンスを手掛け、太陽光パネルとPCSの製造、販売にも乗り出している。太陽光事業(ソーラー・エンジニアリング事業部門)で売り上げ減少が大きかった地域は西日本で、2015年3月期の502億6200万円から2016年3月期は206億9100万円と41.2%も減収となった。これに対し、東日本は8.4%の増収となった。

 太陽光事業の急な落ち込みの理由に関し、同社は、「買取価格の見直しや九電ショック(接続申し込みの回答保留)により、事業環境が厳しくなったため」としている。ただ、一方でメガソーラー(大規模太陽光発電所)を中心に施工している九電工の業績を見ると、太陽光関連の売上高は堅調に推移している。サニックスの強い低圧部門の太陽光発電システムの建設市場が西日本を中心に停滞していることなどが業績不振の要因になっているようだ。

 サニックスでは、一層の固定費の削減に取り組んでおり、すでに実施した900人の希望退職と店舗の統廃合に加え、今年5月中にさらに500人の希望退職を募っている。また、PCSに関しては、現行機種の生産量に適した規模に縮小し、新たな機種の生産は行わないとしている。