図 国土交通省が公表した調査結果
図 国土交通省が公表した調査結果
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 不正の報告は三菱自動車とスズキの2社だけ——。国土交通省は2016年5月18日、燃費試験の不正行為の有無に関する自動車メーカーへの実態調査の結果を公表した(図)。トヨタ自動車や日産自動車など40社は、国交省に対し「不正行為はなかった」と報告した。

 これは、三菱自動車による燃費試験の不正行為を受けて同年4月20日に、国交省が自動車メーカーに調査および結果の報告を指示したもの(関連記事1)。型式認証を取得する際の燃費・排ガス試験における走行抵抗値など、審査に用いるために自動車メーカーが測定したデータについて、適切に対応しているかを調査させた。回答期限を5月18日としていた。

 調査の結果、スズキで不正が見つかった(関連記事2)。同社は、燃費・排ガスのデータを取得するための試験において、国が定める規定とは異なる方法で実施していた。対象車は累計で210万台に上る。三菱自動車とスズキを除く、国内で型式認証を取得している40社は、社内調査で不正行為が見つからなかったという。

 今回の調査では主に、三菱自動車が不正行為を働いた「走行抵抗値」を含む7件のデータの測定方法が、道路運送車両の保安基準と照らし合わせて不適切な取り扱いをしていないかを確認した(関連記事3)。自動車メーカーは調査の結果のみを報告し、その裏付けとなるデータは国交省に提出していない。