スズキは2016年5月18日、燃費・排ガスデータを取得するための試験において、国が定める規定とは異なる方法で実施していたと発表した。同日、国土交通省に報告した。対象となるのは現在販売中の全16車種で、累計で210万台に上る。

 「国交省から指示を受けて調査した結果を報告する。タイヤなどの転がり抵抗や、風洞試験装置での空気抵抗の実測値を積み上げた走行抵抗値を使用していた。結果として、定められた方法を用いていなかったことをお詫び申し上げる」。スズキ会長の鈴木修氏は同日開いた記者会見で陳謝した(図1)。

図1 国交省で記者会見を開催
図1 国交省で記者会見を開催
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 国交省は同年4月20日、三菱自動車の排ガス不正問題を受けて、他の自動車メーカーに対して同様の不正が行為の有無などを確認して報告することを求めていた。回答期限となる同年5月18日になって、スズキが不適切な試験法において走行抵抗値を算出していたと報告した。

 スズキは、「ワゴンR」や「ハスラー」、「ソリオ」など現在販売中の全16車種について走行抵抗値の測定状況を確認。その中で、車両法に記載された「惰行法」による実測値ではないデータを走行抵抗値として国に提出していたことが分かった。