医師専用コミュニティーサイト「MedPeer」を運営するメドピアは2016年5月18日、会員医師を対象に「人工知能が診療に参画する時代は来るか?」を尋ねたアンケートの結果を公表した。回答した医師3701人のうち約90%が、人工知能が診療に使われる時代が来ると回答したという。

メドピアが2016年5月に実施した人工知能の診療参画に関するアンケート結果 医師専用コミュニティーサイト「MedPeer」調べ(提供:メドピア)
メドピアが2016年5月に実施した人工知能の診療参画に関するアンケート結果 医師専用コミュニティーサイト「MedPeer」調べ(提供:メドピア)
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 2016年5月4~10日に実施した今回のアンケートの回答結果を細かく見てみよう。最も大きい割合を占めたのは「10年超20年以内に来る」という意見で、全体の33%に当たる1208人がそのように回答した。次いで「5年超10年以内に来る」が23%、「20年超50年以内に来る」が16%、「5年以内に来る」が13%、「(100年たっても)来ない」が10%、「50年超100年以内に来る」が6%という結果となった。

 「20年以内に来る」に当てはまる回答が全体の70%近くを占め、回答した医師の多くが人工知能の導入を現実的に近い将来のことと考えていることがうかがえる。この層では「数値化やマニュアル化できる部分に関しては早いうちに機械化ができる」「今でも既に診断時にインターネット検索を活用している」といった声が多かったという。さらに「専門性が必要で見逃しにくい希少疾患には人工知能が有用」という意見もあった。

 導入は20年以上先になると回答した医師(22%)の多くは次のような見解だ。「患者の声や表情などの微妙なニュアンスの読み取りはプログラミングが難しいだろう」「技術的には可能でも、間違いを起こしたときの責任の所在など、法的・倫理的な問題をクリアするのにまだ時間がかかる」。

 人工知能が導入される時代はこないと答えた医師からは「補助にはなっても、医療は人対人でしか行えない部分も多く、人工知能が医師に取って代わることはない」といった声が上がった。