ラティス・テクノロジー(本社東京)は2017年5月16日、軽量3Dデータ形式「XVL」を活用したデジタルモックアップ(DMU)や作業指示書、イラストデータなどを管理するソフトウエア「XVL Contents Manager 3.0」(以下、XCM)を発売した。XVLデータを作成した設計ステータスを明示する機能や、設計変更などによって情報が更新された際に帳票を自動更新する機能などを持つ。

 XCMでは、3D-CADデータなどから変換したXVLデータを所定のフォルダに保存することで、自動的にデータベースに登録される仕組みとなっている。登録時にはXVL内に組み込まれた属性情報などが参照されるため、システムにログインすれば一覧表示でその内容を確認できる(図1)。同じXVLデータが設計プロセスの進捗で更新された場合には、新たなXVLデータの登録時に自動的にバージョンの数字が変更される(図2)。

図1 登録されたファイルの一覧表示
図1 登録されたファイルの一覧表示
[画像のクリックで拡大表示]
図2 XVLデータの設計ステータスなどの表示
図2 XVLデータの設計ステータスなどの表示
[画像のクリックで拡大表示]

 例えば、試作/生産準備といったフェーズや仕掛/出図といった設計ステータスを見て、後工程の担当者は作業の開始や情報更新のタイミングを独自に判断できる。作業開始時に参照するXVLデータが最新であることも確認しやすく、もし帳票などの作成作業中にXVLデータが更新されたとしてもすぐに知ることができる。

 設計者にとっては、フェーズやステータスを明示することで、仕掛中のXVLデータを後工程で参照してもらう心理的な抵抗が減る。確定していない情報であることを後工程の担当者が知った上で作業に着手するからだ。結果的に、より早いタイミングで3D-CADデータをXVLデータに変換することになり、後工程における作業着手のタイミングを前倒しできる。