苫小牧バイオマス発電所
苫小牧バイオマス発電所
(出所:三井物産)
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 木質バイオマス発電所「苫小牧バイオマス発電所」が4月28日に営業運転を開始した。三井物産と地元の林業事業体であるイワクラ(北海道苫小牧市)、住友林業、北海道ガスの4社が共同出資した苫小牧バイオマス発電(苫小牧市)が主業主体となる。

 燃料の木質チップは北海道の林地未利用木材で全量賄い、地産地消型のエネルギー事業を目指す。5月12日に発表した。

 イワクラ本社に隣接する苫小牧市晴海町の約1万4000m2に位置する。固定価格買取制度(FIT)を利用し、発電した電力の全量を北海道ガスに売電する。発電規模は約5.9MW。年間発電量は約4000万kWhで、北海道の約1万世帯分の年間使用電力量に相当する。

 同事業に伴い、年間約6万tの木材需要が発生する見込みで、森林環境の整備が促進されることで北海道の林業振興に貢献し、雇用創出による地域活性化に寄与できるという。

 出資比率は、三井物産40%、イワクラ20%、住友林業20%、北海道ガス20%となる。三井物産は、同事業の燃料の一部として、北海道内に約3万5000ha所有する社有林「三井物産の森」から未利用木材を供給する。また、発電所の運転保守管理を100%子会社の三井物産フォーサイト(東京都品川区)が請け負う。

 住友林業グループは、1917年に北海道での山林経営を開始するとともに、2011年2月に建築廃材などを主燃料とした都市型発電所「川崎バイオマス発電所」を、2016年12月に紋別市で出力50MWの「紋別バイオマス発電所」を運転開始した。同社グループは、再生可能エネルギーの発電事業を2019年3月までに200MW規模まで拡大する方針。