東芝代表執行役社長の綱川智氏
東芝代表執行役社長の綱川智氏
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 「米Western Digital(WD)社側に、東芝メモリの株式譲渡のプロセスを止める根拠はない」。東芝 代表執行役社長の綱川智氏は、2017年5月15日に開催した業績見通しの会見の中で、WD社のSanDisk系子会社がNANDフラッシュメモリー合弁事業「Flash JV」について国際商業会議所(ICC)国際仲裁裁判所に仲裁申立書を提出したことを受けて、こうコメントした。

 WD社が主張する、今回の仲裁における請求は、「東芝メモリに対する譲渡の解消を裁判所が東芝に求める命令、および、東芝がSanDiskの同意なしにFlash JVの持ち分またはFlash JVの持ち分を保有する関連会社の株式を譲渡することによる東芝のさらなる契約違反を禁止する旨の差し止めによる救済を求めるもの」(WD社)である(プレスリリース)。

 これに対して、東芝の綱川氏は、「我々は分社化したメモリー事業(東芝メモリ)について、外部資本へのマジョリティー譲渡の作業(プロセス)を正当な形で実施している。本件はJV(joint venture)契約に抵触するものではなく、WD社がこのプロセスを止めるような根拠はない。入札の候補者の皆様に、東芝の主張の正当性を説明して、懸念を払拭できるよう努力する」(綱川氏)との考えを明らかにした。