日本板硝子(NSG)は5月11日、太陽光パネル用の透明導電膜(TCO:transparent conductive oxide)ガラスの製造設備を増設すると発表した。太陽光パネルの世界的な需要拡大に対応するため、2019年度から2021年度にかけて現在休止中のベトナムのフローラインを改修・再稼働するとともに、米国に工場を増設する。投資額は総額約380億円。
今回の製造設備増設は、薄膜太陽光パネルの世界的メーカーである米First Solarとの長期供給契約によるもの。太陽光発電の世界需要は今後3年間、毎年2ケタ成長が見込まれており、First Solarは高いエネルギー収率の最新型薄膜モジュール「シリーズ6」の生産設備を現在拡張中という(関連記事)。
NSGのTCOガラスは、成形中または成形直後の高温のガラス表面に導電膜を形成するオンラインコーティングにより製造される。耐久性の高い膜成形により幅広い用途に使用でき、大量生産に向くためコスト面で優位といった特徴がある。NSGは、TCOガラスの増産により高付加価値(VA)製品へのシフトを加速させる計画。