出力1.2MWの水上メガソーラーを施工中
出力1.2MWの水上メガソーラーを施工中
(出所:日経BP)
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地上設置型の架台を水上に浮かべるような構造
地上設置型の架台を水上に浮かべるような構造
(出所:日経BP)
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発泡ポリプロピレンによる樹脂部材
発泡ポリプロピレンによる樹脂部材
(出所:日経BP)
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27枚の太陽光パネルを支えるユニットを、水上の作業場で構成
27枚の太陽光パネルを支えるユニットを、水上の作業場で構成
(出所:日経BP)
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PCSもフロートに設置
PCSもフロートに設置
(出所:日経BP)
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 コンクリートの製造・販売などを手掛ける東和アークス(さいたま市大宮区)は5月13日、埼玉県深谷市において、農業用ため池の水面を利用したメガソーラー(大規模太陽光発電所)の施工中の状況を公開した。

 同社は、総合建設業の伊田テクノス(埼玉県東松山市)のグループ会社である。これまでに複数の地上設置型メガソーラーのほか、埼玉県内で2カ所の水上太陽光発電所を開発・運営している(関連記事)。

 施工中の水上メガソーラーは、出力1.2MWの「芳沼水上太陽光発電所(仮称)」で、2017年度中に売電を開始する予定。稼働後の年間発電量は、一般家庭約400世帯の消費電力に相当する、145万kWhを見込んでいる。

 東和アークスが発電事業者となり、EPC(設計・調達・施工)サービスは伊田テクノスが担当している。

 フロート(水上に太陽光パネルを浮かべる部材)は、韓国Otos社製を採用した。

 樹脂製の部材が比較的少なく、地上設置型の架台に似た構造体を水面に浮かべるような構成となっている。

 レールのように細長いアルミニウム製の支柱を縦横に組み、「浮き」のような役割を担う樹脂製の部材を取り付ける。地上設置型と同じように、設置角に傾けたアルミ材に太陽光パネルを固定する。

 樹脂部材には、発泡ポリプロピレンを使っている。樹脂材料の中では、相対的に軽量で紫外線に強いという。

 今回のメガソーラーの施工では、27枚の太陽光パネルを支えるユニットを組み、このユニットを一つの単位として池に浮かべていく。

 ユニット単位で強固な構造となり、これを連結していくことで、池の上に島のように浮かんだフロート全体が、安定的な構造を形成できるとしている。

 ユニットを構成する太陽光パネルの枚数や設置角などは、幅広く対応できる。

 最終的に、144ユニットで、3888枚の太陽光パネル、36台の分散型パワーコンディショナー(PCS)を浮かべる。太陽光パネルは韓国S-Energy社製、PCSはサンケン電気製(出力27.5kW機)を採用した。

 フロートの係留には、池底に沈めたコンクリートブロックを使う。チェーンとロープで繋ぐ手法で、池底や池の堤体にアンカーを打ち込まない。