決算発表するホンダ副社長執行役員の岩村哲夫氏(左)、同専務執行役員の竹内弘平氏(真ん中)
決算発表するホンダ副社長執行役員の岩村哲夫氏(左)、同専務執行役員の竹内弘平氏(真ん中)
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 「タカタ製エアバッグのリコール関連費用がなければ、好決算だった」。2016年5月13日、ホンダが発表した2016年3月期決算の会見後、記者の質問に対してホンダ専務執行役員の竹内弘平氏は残念そうな表情でこう語った。

 ホンダの2016年3月期の連結決算は、2015年3月期と比べて、売上高が10%増の14兆6011億円、営業利益が25%減の5033億円、純利益が32%減の3445億円だった。営業利益と純利益は、4輪車の世界販売台数がホンダの4分の1以下の約96万台である「スバル」の富士重工業(営業利益5656億円、純利益4367億円)を下回る水準となった。

 ホンダは主力の4輪車の販売が主力の米国と中国で拡大して増収になったものの、タカタ製エアバッグのリコール関連で4000億円以上の巨額の引当金を計上したことが利益を圧迫した。

 増収を牽引したのは4輪事業だ。同事業の売上高は10%増の10兆6254億円。グループ販売台数は9%増の474万台に達した。

 米国の販売台数は過去最高の160万台を突破。米国でフルモデルチェンジした中型SUV(スポーツ多目的車)の「Pilot」や小型セダンの「Civic」が販売を伸ばした。中国の販売台数も初めて100万台を超えた。SUVの「CR-V」「Vezel]「XR-V」が販売増を牽引した。