スズキが2017年5月12日に発表した2016年度(2016年4月~2017年3月)の連結決算は減収増益だった。売上高は前年度に比べて0.3%減少の3兆1695億円、営業利益は同36.5%増加の2667億円、経常利益は同37.1%増加の2867億円、当期純利益は同37.1%増加の1600億円である。

 売上高は5年振りの減少だが、営業利益と経常利益、当期純利益は2年連続で増加して過去最高を更新した。円高の影響をインドや欧州の好調な販売で補い、増益を確保した(図1)。

営業利益の増減要因(2016年度)
図1 営業利益の増減要因(2016年度)
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 2016年度の世界販売台数(四輪車)は、前年度に比べて2.0%増加の291万8000台となり、過去最高を更新した。内訳を見ると主力のインドは同10.7%増加の144万5000台、欧州は同18.3%増加の24万3000台となった。インドでは「バレーノ」や「Vitara Brezza」などの販売が、欧州では「Vitara」や「バレーノ」の販売が好調だった。

 日本も同1.4%増加の63万9000台である。軽自動車は同3.1%減少の53万2000台と苦戦したが、登録車は同31.8%増加の10万7000台となり、初めて10万台を超えた。「ソリオ」「イグニス」「スイフト」の好調な販売が寄与した。

 これらの好調な世界販売が1197億円の営業増益要因となり、ルピーやユーロなどに対する円高による減益額(793億円)を補った。