HCI(Hyper Converged Infrastructure)を実現するための製品を開発・販売する米Nutanix社のGlobal Director of TechnologyであるJustin Hurst氏が2017年5月、顧客訪問のために来日した。HCIとは複数のサーバーを用いてパブリッククラウドのIaaS(Infrastructure as a Service)と同等のシステム環境をオンプレミスに実現するための基盤である。

 Nutanix社の製品には、ハイパーバイザー(サーバー仮想化ソフト)間のアプリケーション可搬性や分散ストレージのための基盤ソフト「Acropolis」と管理ツール「Prism」があり、これらを一般的なPCサーバーで稼働させてHCIを実現する。以下、Nutanix製品のマーケットでの位置付け、競合製品との違いなどをHurst氏に聞いた。(聞き手は神近博三)

――Nutanix社のAcropolisは複数サーバーのローカルディスクを束ねて分散ストレージを構成する。ストレージはアクセス頻度やI/O性能によってTier1、Tier2、Tier3などに分類されるが、HCIの分散ストレージはオールフラッシュアレイなど外部共有型のストレージ製品と比較して、どのような位置付けになるのか。

Nutanix社Global Director of TechnologyのJustin Hurst氏
Nutanix社Global Director of TechnologyのJustin Hurst氏
[画像のクリックで拡大表示]

 HCIにとって分散ストレージは重要ではあるが、いくつかある要素の1つに過ぎない。ストレージに着目するのはレガシーな見方だ。最終的な目標はビジネスの成果(Outcome)であり、俊敏性の向上、製品投入に要する期間の短縮、コスト削減などをもたらすことだ。HCIはそのためにシステムのマネジメントをシンプルにして、運用コストや新規システムの稼働に要する時間を削減する。ストレージに着目してHCIのポジションを理解しようとすると誤解を招くだろう。