ドイツの太陽光パネル大手であるSolarWorld(ソーラーワールド)社は10日、債務超過により経営破たんに陥ったと発表した。同社の経営陣は、地元の裁判所に経営破たんに関する申請をただちに行うとしている。

 また、米国の現地法人などがドイツ本社と同様に当局に対して経営破たんの申請を行うかどうかについては、調査中としている。

 ソーラーワールドは、両面ガラスを採用した高耐久性タイプのパネルでは、パイオニア的な存在だった。ただ、ここにきて、中国勢なども両面ガラス型に参入し始め、独自性が打ち出しにくくなり、価格競争に巻き込まれ始めたと思われる。

 今年2月に、高付加価値の単結晶パネルやPERC(Passivated Emitter and Rear Cell:裏面不動態型セル)などに集中するといった事業戦略を明らかにしていた(関連記事)。太陽光パネルの世界市場は、中国勢の低価格攻勢により、ここ1年で低コスト圧力が一層強まっている。こうした市場変化に対応が追い付かなかったとみられる。

 ドイツ勢では、一時は世界トップの出荷量を誇っていたQCells社が経営破たんし、その後、韓国の財閥系企業であるHanwha社に買収された経緯がある。今後、ソーラーワールドに関しても、同様に買収・合併の動きが出てくるか注目される。