都内で開催した調印式の様子
都内で開催した調印式の様子
(出所:日本工営)
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 日本工営は5月8日、シンガポールの水力発電事業投資会社 Ironmont Hydro社の第三者割当増資を引き受けることで合意したと発表した。

 出資を通じてアジア地域の中小水力発電事業の創出と運営に参画し、アジア地域での再生可能エネルギーの普及拡大に取り組む。出資総額は1000万米ドル(約11億円)。事業進捗に応じて段階的に実施する。

 Ironmont Hydro社は、アジア全域を対象に中小水力発電を中心とした再エネ分野で、民間資金の組成による事業開発・運営を行う。今回の出資により日本工営は、Ironmont Hydro社の経営や投資判断に関与し、有望な水力発電事業者や事業案件の発掘および運営参加を計画する。

 案件参画を通して、民間主導型エネルギーインフラ事業投資の実績と知見を獲得し、日本工営が持つ建設計画・実施までの技術や民間資金活用のノウハウを融合させ、インフラ開発の一翼を担う。

 また、Ironmont Hydro社は、インドネシアで複数の発電事業を開発・運営する水力発電事業者Arkora Hydro社へ出資参画している。日本工営グループは、Arkora Hydro社などの発電事業会社が手掛ける複数の中小水力発電事業開発に対して、技術レビュー、アドバイザリー業務および施工監理などのサービス提供を推進する。

 日本工営は、中期経営改革に基づき再エネ発電事業への投資を強化しており、アジア地域での新規エネルギー案件を積極的に取り組んでいる。これまでに、インドネシアの小規模水力IPP(独立系発電事業)への参入、アジア諸国向け水ビジネス投資パートナーシップ(Tigris Water Partnership)への出資、フィリピンでの分散型電力発電事業展開に向けた火力発電事業への出資などを行っている。