出力制御の指示で連系を停止した壱岐のメガソーラー
出力制御の指示で連系を停止した壱岐のメガソーラー
(出所:日経BP)
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出力制御の指示で連系を停止した壱岐の風力発電設備
出力制御の指示で連系を停止した壱岐の風力発電設備
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 九州電力は、5月9日までに実施した再生可能エネルギー発電設備に対する出力制御の実績を公表した。鹿児島県種子島に続き、長崎県隠岐でも初めて出力制御を指示した。壱岐市内で稼働している出力約2MWと約1MWの2サイトのメガソーラー(大規模太陽光発電所)、1.5MWの風力発電設備が対象となった。

 壱岐では、4月は15日、29日、30日、5月は1日、4日、7日の計6回、いずれも9時から16時までの間、出力を抑制する指示を出した。1回の指示で制御対象となった設備容量は、約1MWから約2.5MWだった。

 5月9日までに出力制御の指示を受けたのは、2サイトのメガソーラーが3回ずつ、風力発電設備が2回となっている。

 壱岐の昼間最小需要は約12.7MW(2011年度)で、再エネの接続可能量は5.9MWと算定されている。今年3月末に1MW のメガソーラーが稼働したことで接続済みの再エネ電源は6MWを大きく超え、火力発電(ディーゼルエンジン発電機)の最低負荷率50%を前提に下げ代を確保すると、昼間軽負荷期に電力供給が需要を超えるリスクが高まっていた。

 一方、種子島では、昨年5月7日に初めて出力制御の指示を出し、その後、今年2月21日に続き、3月に5回、4月に4回の出力制御を指示した。1回の指示で制御対象となった設備容量は、約0.7MWから約4.1MWだった。いずれも9時から16時までの出力を抑制した。

 再エネの出力を抑制することで需要バランスを維持する必要性は、空調による電力需要の少ない春と秋に大きくなる。このため、今後も6月頃まで、出力制御の指示が出る可能性がある。