その綱川氏は皮肉にも、本社の財務基盤改善に向けた東芝メディカルシステムズ売却では、交渉の主導役を担うことになった(関連記事2)。東芝メディカルシステムズのキヤノンへの売却が決まったことについて、5月6日の説明会では「娘が嫁いだ後の父親の気分。嫁ぎ先で大きく成長する、幸せになると信じており、陰ながら応援したい」と述べた。キヤノンへの売却は「新会社のもとで日本から世界へ(打って)出ていくという点で、医療産業にとっても良かったと思う」とした。
東芝本体の今後のヘルスケア・医療事業については、原子力事業の一環として残した重粒子線治療装置への期待を口にした。「すぐにではないかもしれないが、5年後くらいに大きく咲かないかという気持ちはある」(綱川氏)。