新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と太陽光発電協会(JPEA)、奥地建産(大阪府松原市)は4月26日、太陽光発電システムの耐風安全性に関する実証試験用として世界でも最大規模の「動風圧試験装置」を導入し、試験を開始すると発表した。2019年春にJPEAなどから公表する予定の太陽光発電システム向けの「設計ガイドライン」(2018年度改訂版)に必要なデータの収集を目的としている。
今回の試験装置は、野立ての太陽光発電設備の強風に対する耐久性能を調べるのに使う。架台に固定した太陽光パネルのアレイ(設置単位)の前後左右を壁でふさぎ、パネル下の空間を密閉した状態にしたうえで、電動のファンでパネルにかかる風圧を再現する。
ファンの最大加圧能力は±1万5000N/m2。これは、アレイ面の平均高さ3m、設置角20度、北側から風向という条件下で、平均風速約80m/秒の時の風圧に相当するという。
こうした動風圧試験装置は、国内に10台以上あるが、そのほとんどは建築物に使用されている外壁やサッシなどの耐風圧性能を把握するための試験装置という。そのため鉛直型の装置が一般的で、「今回のように水平方向に設置した構造物に対応した水平型動風圧試験装置は珍しく、世界的にも最大規模になる」(奥地建産)という。