「グリッドパリティ」到達が後押し

 市場成長に曲折のあったメガソーラー市場とは対照的に、住宅用など分散型の太陽光発電の市場は、今後の2~3年間、概ね継続的に成長すると見込む。システムコストが急速に下落しており、多くの州で「グリッドパリティ」の状況が実現しているためである。

 一方、「ネットメータリングの価格改訂など、この分野でもリスク要因があるため、引き続き留意が必要」とGTMリサーチのCorey Honeymanアソシエート・ディレクターは指摘している。

 2016年に22州がそれぞれ、100MW以上の太陽光発電を導入した。100MW越えの州は、2010年のわずか2州から大幅に増加している。成長が顕著なのが、ジョージア、ミネソタ、サウスカロライナ、ユタの4州という。

 GTMリサーチは、住宅太陽光の市場セグメントが2017年に9%成長すると見込む。従来、住宅太陽光の市場のほぼ半分を占めていたカリフォルニア州は、2017年に失速するとみている。一方、調査対象の40州のうち36州が、年間ベースで成長するとしている。

 米国の太陽光市場で特徴的なセグメントが、「コミュニティソーラー」である(関連記事2) 。

 コミュニティソーラーの市場は、2015~16年の間に4倍近く成長した。この分野の太陽光が特に伸びているのが、ミネソタとマサチューセッツの両州である。GTMリサーチは、非住宅太陽光の市場では2018年にコミュニティソーラーが30%を占めるとみている。

 2019年までに、米国の太陽光発電市場ではすべての市場セグメントが成長を回復すると見込む。1GW以上の太陽光を導入した州は、現在の9州から2022年までに24州に増えると予測している。