米国の太陽光発電市場は2016年に記録的な伸びを示した
米国の太陽光発電市場は2016年に記録的な伸びを示した
(出所:GTM Research/SEIA)
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 「米国の太陽光発電市場は2016年に過去最高の伸びを記録し、2015年の2倍近くの発電設備が接続された。その結果、これまでで初めて他のどのエネルギー源よりも多くの発電容量が接続された。今後も5年間で現在の3倍近くまで成長を続ける」――。

 米GTMリサーチ社と太陽光発電産業協会(SEIA)は3月9日、米国の太陽光発電市場の現状や見通しを示した調査報告書「U.S. ソーラーマーケット・インサイト(Solar Market Insight)2016」を発表し、そのなかでこんな予測を示した。

 米太陽光市場の成長を支える要因の一つは、価格の下落である。米国の太陽光発電システムの平均価格は、2016年に約20%下落した。GTM社が同調査を開始して以来、最も大きな下落率という。この価格下落が後押しし、2016年には14.8GWが導入され記録的な成長となった(図)。

 同報告書では、2017年に13.2GWの太陽光発電が導入されると見込む。2016年からは10%の下落となるものの、2015年の導入量からはまだ75%も多いとしている。

 導入量の落ち込みは、メガソーラー(大規模太陽光発電所)の市場でのみ起きるという。かつてないほど多くの件数となったメガソーラーのプロジェクトが、2015年後半に接続された後となる。

 これらのプロジェクトは元々、投資税額控除(ITC)の当初の失効期限となる2016年末までの完成を予定していた駆け込み需要によるもの(関連記事1) 。ITCは2019年までの延長を米議会が2015年12月に可決しており、2019年以降は控除される比率が30%から10%まで段階的に引き下げられる。