開口部が広く、南西向きで、遮熱と発電の効果が生きた
開口部が広く、南西向きで、遮熱と発電の効果が生きた
左はキリン横浜ビアビレッジの試飲室、右が導入した太陽電池を組み込んだガラス(出所:旭硝子)
[画像のクリックで拡大表示]

 旭硝子は4月27日、太陽電池を組み込んだ窓ガラス「アトッチ(太陽光発電仕様)」が、神奈川県横浜市にある「キリン横浜ビアビレッジ」に採用されたと発表した。省エネと創エネの機能を合わせ持つガラスとし、初の採用例になったという。

 キリン横浜ビアビレッジは、キリンビールの横浜工場内にある見学・試飲施設である。同工場の操業90周年に合わせて改装し、神奈川県の「薄膜太陽電池普及拡大プロジェクト」の⼀環として、太陽電池の組み込まれた窓ガラスを設置した。

 試飲室は、開口部が広い上、南西を向いている。太陽光が強く当たり、暑さを感じるなどの課題があった。そこで、「発電する窓ガラス」を導入した。視界を確保しながら、遮熱機能とともに、太陽光発電の機能も持つというコンセプトが、ニーズに合致したという。

 「アトッチ(太陽光発電仕様)」は、省エネ・創エネ機能だけでなく、室内側から施工できるために足場が不要なことから、従来の窓の改修よりも施工の期間や費用を抑えられる利点もあるという。また、一つの窓あたりの施工時間が30分~1時間と短く、施工の時期も選ばない。加えて、夏の暑さや冬の寒さを和らげて結露も抑えるなど、 快適に過ごせるといった特徴もある。

 単結晶太陽電池セルをすだれ状に切ることで、発電効率の向上と視界の確保を両立しているとしている。合わせガラスに太陽電池を挟み込んで形成している。