キュア・アップは2017年5月1日、呼気中の一酸化炭素(CO)濃度測定を遠隔診療に導入できる「ポータブルIoTデバイス」と、測定結果を患者と医師が確認し共有できる「ニコチン依存症治療アプリ・クラウド」を一体化したIoTソリューションを開発したと発表した(関連記事1)。特許出願中である。

CO濃度を測定し共有
CO濃度を測定し共有
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 ここにきて、政府の未来投資会議や厚生労働省において、遠隔診療への保険適用拡大が議論されている(関連記事2)。禁煙治療もその対象の一つとして注目を集めているが、現在の保険適用の条件である呼気濃度測定を遠隔では行えないことから、測定のためには通院しなければならないという課題があった。

 呼気CO濃度測定は禁煙治療の経過や成功・失敗の客観的指標として重要で、定期的に測定することが定められている。自己申告による禁煙成功率に対し、呼気CO濃度値を加えて確認した禁煙成功率には、約2倍のかい離があるとの報告もなされているという。すなわち、禁煙成功・失敗を正確に確認するための指標として、CO濃度測定が有用と考えられる。

 一方、従来の呼気CO濃度測定器は大型で高価。患者個人が所有することは難しく、医療機関で測定する必要があった。

遠隔での禁煙治療を支援
遠隔での禁煙治療を支援
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 今回キュア・アップは、従来の課題を克服する4つの特徴を備えたIoTデバイスを開発し、提供を開始する。在宅・院外で呼気CO濃度を測定できるようにし、遠隔診療における治療経過を正確に把握できるようにする。

 第1に、小型でポータブル。寸法は13.7cm×4.2cm×3.6cmで、重さは従来品の180~200gに対し、100gと約1/2に軽量化した。

 第2に、低コストである。製造プロセスや部品の大幅な見直し、調達先の選定を徹底したことで、従来品に比べて低コスト化したという。