街区の全体イメージ
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(出所:大和ハウス工業)
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「まちの太陽光発電所」の仕組みイメージ 
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 大和ハウス工業は4月28日、太陽電池と蓄電池、燃料電池システムによる「3電池搭載住宅」や、街区で共有する「まちの太陽光発電所」を設置することで、ネット・ゼロ・エネルギーを実現する環境配慮型の街区を富山市内に建設すると発表した。

 富山市が進める「セーフ&環境スマートモデル街区整備事業」の公募型プロポーザル方式に同社が応募し、選ばれたもので、4月28日に富山市と基本協定を締結した。富山市のPPP(官民連携)事業となる。

 建設する場所は、富山市豊田本町の小学校跡地で、住宅街区には戸建住宅(21棟)のほか、公共施設を建設する。この公共施設には、公民館や地区センター、図書館分館の機能を持たせ、建設後は建物を富山市に売却し、富山市が運営する。

 戸建て住宅には、すべてに太陽光発電システムと家庭用Liイオン蓄電池(6.2kWh)、家庭用燃料電池コージェネレーション(熱電併給)システムを搭載する。また、公共施設には、太陽光発電システムとLiイオン蓄電池、天然ガスによるマイクロコージェネシステムを備え、停電などの非常時には地域の防災拠点となる。

 「まちの太陽光発電所」(出力10kW)では、発電電力を住宅公園内の蓄電池に蓄え、平常時はLED防犯灯や防犯カメラの電力に利用し、災害時には非常用電力として、防災備蓄倉庫や防災パーゴラに設置するコンセントから携帯電話を充電できる。

 これらのシステムを最適に運用することで、ネット・ゼロ・エネルギー・タウンを実現する。「3電池搭載住宅」による環境配慮型の住宅街区は、北陸で初めてとなる。

 住宅に設置したLiイオン蓄電池と太陽光発電システムは、連係して制御する。ハイブリッドシステム「POWER iE 6 HYBRID(パワーイエ・シックス・ハイブリッド)」(6.2kWh・太陽光発電システムと合わせて出力5.5kW)を全戸に設置する。太陽光発電システムとLiイオン蓄電池のパワーコンディショナー(PCS)を一体化することで、エネルギー制御を効率的に行えるという。PCSとLiイオン蓄電池ユニットはエリーパワー製。

 また、住宅街区内に設ける公園には、蓄電池や防災備蓄倉庫などを備え、公共施設と連携することで災害時の防災拠点として活用できるようにする。こうした災害対応機能を持つ住宅公園を備えた分譲地開発は、富山県内で初めてという。