1.7倍もの過積載で発電量最大化

 「作東メガソーラー発電所」は、岡山県美作市内にある旧作東セントバレンタインリゾート計画跡地、および旧ペニンシュラゴルフクラブ湯郷コースの跡地の約400haの用地に建設する。2019年9月の運転開始を予定しており、建設期間は30カ月となる。

 日揮がEPCを担当するほか、採用する太陽光パネルとパワーコンディショナー(PCS)は検討中としている。太陽光パネル側の直流システム電圧は1500Vで検討しているが、最終的には詳細設計を経て適切な電圧設定を選択するという。

 連系出力150MW に対し257.7MWのパネル容量という、1.7倍を超える過積載としたことに関し、「経済性の観点から、最大出力を得られる時間を最大限確保し、また太陽光パネルの経年劣化を加味して設計した結果、こうした比率になった」としている。

 リゾート施設の開発跡地や計画跡地を活用するが、林地開発許可は新規に取得した。既存の調整池を改修するほか、新たに21カ所の調整池を建設する予定。

 完成後には、年間約2億9000万kWhの発電量を想定しており、年間約20万tの温室効果ガスの排出抑制効果を見込む。発電電力は、固定価格買取制度(FIT)を利用し、中国電力に全量売電する。

 パシフィコ・エナジーは、岡山県内では、すでに久米南町と美作市にメガソーラーを開発し、商業運転しており、今回が3サイト目になる(関連記事)。同県以外の1サイトを含め、合計で131MW(直流ベース)のメガソーラーを完成、運転している。また、現在、宮崎県内で96MWの発電所を建設している。

 美作市には、パシフィコ・エナジーによる2サイトほかにも1サイトのメガソーラーが立地するなど、将来的に300MWを超える国内有数の太陽光集積地になる。同市の荻原誠司市長は、連系出力を超えるメガソーラーの余剰電力を活用した水素製造など、低コストの再エネ電力による新産業の創出などを提言している(関連記事)。