三川発電所のバイオマス発電設備
三川発電所のバイオマス発電設備
(出所:東芝)
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 東芝子会社のシグマパワー有明(東京都港区)は4月27日、同社が運営する三川発電所(福岡県大牟田市)の設備リニューアル工事が完了し、バイオマス発電所として営業運転を開始したと発表した。東芝グループ初のバイオマス主体の発電所となる。

 三川発電所は、2005年に石炭による発電事業を開始し、2008年から木質バイオマスと石炭の混焼による発電を開始した。今回、世界的な地球温暖化対策の流れを受け、リニューアル工事を実施したという。

 主燃料にバイオマス燃料であるパーム椰子殻(PKS:Palm Kernel Shell)を採用し、従来と比べてCO2排出量を年間約30万t削減できる。発電規模は出力50MWで、一般家庭約8万戸に相当する電力を供給する。

 PKSは、主にインドネシアから輸入し、発電所に近接する三池港から年間約20万tを陸揚げする。合わせて、PKSを最大3万t貯蔵できるサッカーグラウンド約3面分の専用置場を発電所構内に設置し、安定した電力供給を可能にするという。

 東芝グループは、CO2の分離回収技術や高効率発電設備の実証を行う開発拠点としても三川発電所を活用している。環境省の「環境配慮型CCS実証事業」に採択され、2020年には三川発電所への大規模CO2分離・回収実証設備の設置が完了する予定。