ソニーは、低消費電力で広域をカバーできるLPWA(Low Power Wide Area)ネットワーク技術として、100km以上の遠距離通信と100km/時の高速移動中でも安定した通信が可能な新技術を開発した(ニュースリリース)。山や海での遭難対策や、自動車などのレンタル事業における資産管理、ドローンの位置情報監視などを用途として想定し、商用化を目指す。

ソニーが開発したLPWA技術の特徴(出所:ソニー)
ソニーが開発したLPWA技術の特徴(出所:ソニー)
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 今回の技術は、光ディスクで使われる誤り訂正などのデジタル信号処理技術や、テレビチューナーなどの高周波アナログ回路技術、低消費電力のLSI回路技術などのノウハウを応用した。送信モジュールは、新たに開発した誤り訂正符号と、伝送路を推定するのに必要なパイロット信号を埋め込んだパケットを、0.4秒の間に複数回送信する。受信機は、送信されたパケットを波形合成し、誤り訂正信号処理を用いてデータを復元する。また、受信機にはテレビチューナーなどで使われる高ダイナミックレンジで相互変調歪みに強いチューナーLSIを搭載し、遠距離や高速移動中の通信や、混信しやすい環境での良好な通信を実現したという。