米Kyocera Solar社がハワイ州カポレイのHTICに設置した太陽光発電システム
米Kyocera Solar社がハワイ州カポレイのHTICに設置した太陽光発電システム
(出所: Kyocera Solar社)
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 米Kyocera Solar社は27日、米ハワイ州カポレイ(Kapolei)のハワイ東海インターナショナルカレッジ(Hawaii Tokai International College=HTIC)で284kWの太陽光発電システムが竣工したと発表した()。同社は、京セラによる太陽電池事業の米国子会社である。

 同システムはHTICにおける電力需要の50%以上を供給可能と見込まれる。このプロジェクトでは、Kyocera Solar社が自社で提供する電力購入契約(PPA)プログラムを活用しており、HTIC側が負担する初期費用はゼロという。PPAの期間は20年間である。

 太陽光パネルには、京セラ製、パワーコンディショナー(PCS)には、独SMAソーラーテクノロジー製を採用した。年間400MWhの発電量を見込む。この量はガソリン換算で約11万7000リットルに相当し、米環境保護庁(EPA)の定める基準では304tの温室効果ガス排出量を削減できる。

 太陽光発電システム以外にも、屋内外のLED照明やビル用マルチエアコン(VRF)、ビルエネルギー管理システム(BEMS)などを採用しており、従来比で35%の省エネルギー性能を達成した。これらの環境技術を採用したことで、ビルが複数ある教育機関のキャンパスとしてはハワイで初めてLEED認証を取得可能と見込んでいる。

 HTICは、ハワイ大学(University of Hawaii)と東海大学の間のグローバリゼーション・イニシアチブに基づいて、ハワイ大学のオアフ島西キャンパス内に2015年に設立された。ハワイ州では「Hawaii Clean Energy Initiative」により、再エネ比率を2030年までに70%、2045年までに100%にすることを定めている。このため、HTICでも設立当初から省エネ性能の高いビルの建築を決めていたという。

 Kyocera Solar社のHitoshi Atari社長は、「当社のPPAプログラムを活用すれば、太陽光発電システムを大学などが初期費用の負担なしで導入できる」という。

 日本国内ではKyocera Solar社のPPAプログラムや米ソーラーシティ(Solar City)社と同様の「第3者所有モデル」はまだほとんど普及していないが、登録小売電気事業者である日本エコシステムが「じぶん電力」として4月から提供を開始した。今後、日本国内でも第3者所有モデルの市場が拡大すれば、京セラなど大手メーカーも同市場に参入する可能性がありそうだ。