錠剤にセンサーを内蔵し、服薬を管理する——。大塚製薬と米Proteus Digital Health社は2016年4月27日、そんな機能を持つ「デジタルメディスン」について、米国食品医薬品局(FDA)から新薬承認申請の審査完了報告通知(Complete Response Letter:CRL)を受理したと発表した(大塚製薬のプレスリリース1)。承認は下りず、「実際に使われる条件下での追加データなどを求められた」(大塚製薬)。今後、FDAの要求に応えるべく協議していくという。

 デジタルメディスンは、大塚製薬製の抗精神病薬「エビリファイ」にProteus Digital Health社の極小センサーを組み込んだセンサー入り錠剤と、パッチ型シグナル検出器を組み合わせたもの。この薬を服用するとセンサーが信号を発し、患者の体表に付けたシグナル検出器が信号を検出する。薬を服用した時間のほか、歩数などの活動量の検出も可能。検出されたデータはスマートフォンやタブレット端末にBluetoothで送信される(関連記事)

 両社はデジタルメディスンについて、FDAが新薬承認申請を受理したことを2015年9月に発表していた(大塚製薬のプレスリリース2)。医薬品と医療機器であるセンサーを一体化した製品をFDAが審査するのは初めてという。現在エビリファイは成人の統合失調症や双極性I型障害の躁病、混合型症状の急性期、成人の大うつ病性障害の補助療法に使われている。これらの患者に対して、デジタルメディスンを用いることで服薬アドヒアランスを測定し、アドヒアランス向上につなげる狙いがある。