太陽光と風力による自立システム
太陽光と風力による自立システム
(出所:ハウステンボス・技術センター)
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 エイチ・アイ・エス(H.I.S.)は4月14日、再生可能エネルギーによる発電事業に参入すると発表した。3月22日付けで設立した新会社「H.I.S. SUPER発電」を通じてバイオマス発電所を建設し、固定価格買取制度(FIT)により電力会社に販売する。

 現在、日本では再エネの電源構成比が10%程度に留まっている一方、政府は2030年のベストミックス(望ましい電源構成)を掲げ、そのなかで再エネ比率を22~24%に定めている。このような背景のなか、同社は、「再エネを利用した発電・電力供給の社会的価値は大きく、継続的に収益も確保できる」と判断し、事業化に着手すると決定した。

 新事業では、約90億円を投資し、宮城県角田市にパーム油を用いたバイオマス発電所「角田バイオマス発電所」(仮称)を建設する。敷地面積は2万160m2。設備出力は4万1100kW(41.1MW)で、想定年間発電量は約35万MWh。売電開始日は2019年。これから発電用地の造成、発電所の基本設計に入り、来季以降の収益増に貢献する予定とする。

 事業会社となるH.I.S. SUPER発電は、資本金5000万円で、持株比率はH.I.S.が66%、同社子会社のハウステンボスが34%となる。

 ハウステンボスの子会社には、一般家庭や小規模事業者向け電力小売事業を行うHTBエナジー(長崎県佐世保市)があり、今後、H.I.S. SUPER発電とHTBエナジーとの連携についても検討を進める。

 また、ハウステンボスは、国の認定する「次世代エネルギーパーク」として、太陽光発電所を設置したほか、佐世保市内に所有する駐車場の跡地にメガソーラー(大規模太陽光発電所)を稼働した。加えて、ハウステンボス・技術センター(長崎県佐世保市)と九電工は、共同でハウステンボス別荘地の共有施設に、太陽光と風力による自立システムを構築している(関連記事)。