全米の電力事業者による2015年の太陽光発電システム連系容量の実績データを示す「2015 Solar Market Snapshot Infographic and Top 10 Rankings」
全米の電力事業者による2015年の太陽光発電システム連系容量の実績データを示す「2015 Solar Market Snapshot Infographic and Top 10 Rankings」
(出所:Smart Electric Power Alliance)
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 米Smart Electric Power Alliance(SEPA、旧Solar Electric Power Association)は12日、2015年における米国内電力事業者の太陽光発電システム連系実績データベースや関連資料を同団体の公式サイトを通じて公開した()。

 SEPAは、全米の300社・団体以上に及ぶ電力事業者から収集した太陽光発電システム連系実績データに基づいて同データベースを過去数年間にわたって公開している。ランキングは、2015年1月1日から12月31日までの1年間に連系した全設備容量(単位:MW)と顧客当たり容量(単位:W/顧客)の2つを集計したもの。

 2015年に連系された全設備容量は、住宅用と電力事業者のメガソーラー(大規模太陽光発電所)も含む産業用の合計で6428MWだった。上位10社で2015年に連系された全太陽光発電システムの65%を占める。

 2015年の実績データでは、過去8年間にわたって全設備容量で全米トップの座を誇っていたPacific Gas & Electric(PG&E)社が787MWと2位に転落、代わりにSouthern California Edison(SCE)社が1258MWで首位を奪取したことがまず大きな変化である。

 また、今回初めてカリフォルニア州以外の電力事業者であるノースカロライナ州のDuke Energy Progress社が461MWで3位に食い込んだ。昨年までは、上位3社をPG&E、SCEとサンディエゴ地域のSan Diego Gas & Electric(SDG&E)社のカリフォルニア州の電力大手が独占していた。SDG&E社は、今回441MWとDuke Energy Progress社の後塵を拝する結果となっている。

 顧客当たり容量では、例年中小規模の電力事業者もランキングの上位を占める。2015年も上位10社のうち7社までが、自治体ベースの電力事業者と電力協同組合(cooperative)となった。

 首位は2104W/顧客と、同ランキングで過去最高を記録したオハイオ州のミンスター村(Village of Minster)である。ノースカロライナ州のDominion North Carolina Power社が1946W/顧客で2位、カリフォルニア州パロアルト市による電力事業(City of Palo Alto Utilities)が1846W/顧客で3位となっている。

 SEPA代表を務めるJulia Hamm最高経営責任者(CEO)は、「2015年の電力事業者による太陽光発電システム連系容量の実績データは、この分野の真にダイナミックな状況を示している。また、電力事業者は米国のエネルギー転換において前向きな役割を果たしていることが分かる」と述べている。