米カリフォルニア州サンフランシスコのゴールデンゲートブリッジ(金門橋)上空を飛ぶ「ソーラーインパルス2(Si2)」
米カリフォルニア州サンフランシスコのゴールデンゲートブリッジ(金門橋)上空を飛ぶ「ソーラーインパルス2(Si2)」
(出典:Solar Impulse)
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 「ソーラーインパルス2(Solar Impulse 2: Si2)」は、4月21日午前6時15分(ハワイ・アリューシャン標準時)にハワイを出発し、同24日の午後11時44分(太平洋夏時間)、米カリフォルニア州マウンテンビュー(Mountain View)のモフェット・フェデラル飛行場(Moffett Federal Airfield)に到着した()。

 Si2はスイスのプロジェクトで、太陽光パネルによる電力だけで世界を一周する飛行に挑戦している(関連記事1)。2015年5月30日に中国の南京を出発し、ハワイへの飛行を目指したが、気象条件の悪化により当初予定していなかった日本の名古屋に一時着陸した経緯がある(関連記事2)。

 天候が好転するまで名古屋で待機し、2015年6月28日の午後6時にフライトを再開、5日間・117時間52分でハワイ州オアフ島のカラエロア空港(Kalaeloa Airport)に無事に到着した。このフライトは、単独無着陸飛行の世界最長記録となった。

 名古屋からハワイまでのフライトは無事に完結したものの過熱により蓄電池(容量:38.5kWh×4基)が破損してしまったため、修理のためにハワイでの長期滞在を余儀なくされていた。蓄電池周りの修理が完了し、フライトに適した気象条件になったと判断、4月中旬に満を持して太平洋横断を再開した。

 今回の飛行では、4月22日の「アースデイ」にニューヨークで行われていた国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)の「パリ合意」署名式に出席していた潘基文(Ban Ki-moon)事務総長らに対し、ベルトラン・ピカール(Bertrand Piccard)操縦士がテレビ会議を通じて気候変動対策としての再エネ推進を呼びかけた。

 今後、Si2は米国本土と大西洋を横断し、出発地点のアラブ首長国連邦(UAE)・アブダビへと世界一周飛行を続ける予定。当初見込んでいた2015年中頃のアブダビ到着には大幅に遅れているが、順調に推移すれば2016年中にプロジェクトが完結するとみられる。

■変更履歴
3つ目の段落で名古屋を離陸した日を「2016年6月28日」としていましたが、正しくは「2015年6月28日」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2016/4/28]