JR武蔵溝ノ口駅に設置した自立型水素エネルギー供給システム「H2One」
JR武蔵溝ノ口駅に設置した自立型水素エネルギー供給システム「H2One」
(出所:東芝)
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 東芝は4月17日、東日本旅客鉄道(JR東日本)から受注した自立型水素エネルギー供給システム「H2One」の納入が完了し、JR南武線武蔵溝ノ口駅構内で運転を開始したと発表した。同駅は、JR東日本が推進する省エネや再生可能エネルギーなどの環境保全技術に取り組む「エコステ」のモデル駅(関連記事)。

 H2Oneは、水素エネルギー管理システム「H2EMS」により、再エネと水素を活用して、電力を安定的に供給できるCO2を排出しない自立型水素エネルギー供給システム。太陽光発電、蓄電池、水素製造装置、水素貯蔵タンク、純水素燃料電池から構成される。

 武蔵溝ノ口駅に導入したH2Oneは、20フィートコンテナ3台分に収められ、30kWの太陽光発電パネルを備える。災害時にライフラインが寸断された場合、平常時に貯蓄しておいた水素を用いて燃料電池で発電し、約2日間の電力を供給できる。

 平常時は、ホームの照明に電力を供給し、水素エネルギー供給システムから出る温水を活用して待合スペースのウォームベンチを温める。

 H2Oneは、BCP対策用として、これまで川崎市と共同実証している川崎市臨海部の公共施設「川崎市港湾振興会館(川崎マリエン)」および「東扇島中公園」、大黒ふ頭の「横浜港流通センター(横浜市港湾局)」に納入し運転を開始している。今回のJR東日本向けH2Oneは、3台目の納入となる。