エクセルギー・パワー・システムズの開発した蓄電池のプロトタイプ 
エクセルギー・パワー・システムズの開発した蓄電池のプロトタイプ 
(出所:東京大学エッジキャピタルのホームページ)
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 スパークス・グループは3月30日、「未来創生ファンド」による初の蓄エネルギー分野への投資案件としてエクセルギー・パワー・システムズ(東京都目黒区)に対し、約5億円を投資すると発表した。

 投資先のエクセルギー・パワー・システムズは、2011年に東京大学発のベンチャーとして創業した。すでにニッケル水素電池と水素ガス電池の「ハイブリッド水素電池」の開発に成功した。同電池は、連続急速充放電特性と耐久性の両立を実現しているため、太陽光や風力など不安定な再生可能エネルギーの出力変動を抑制する用途に最適としている。東京大学エッジキャピタル(UTEC)からの投資を受け、同電池のプロトタイプを開発している。

 また、現在、開発中の水素電気分解技術は、世界的にも極めて高い効率を実現する可能性があるという。

 「未来創生ファンド」は2015年11月、スパークス・グループとトヨタ自動車、三井住友銀行の3社による総額約135億円の出資により設立された。スパークス・グループが運営者となっている。「知能化技術」「ロボティクス」「水素社会実現に資する技術」を中核技術と位置づけ、それらの分野の革新技術を持つ企業やプロジェクトに投資する。

 「水素社会実現に資する技術」である蓄エネルギー分野への投資では、エクセルギー・パワー・システムズが初めてとなる。スパークス・グループは、未来創成ファンドと投資一任契約を締結し、運用権限を委託している同社子会社のスパークス・アセット・マネジメントから社外取締役として社員を派遣し、エクセルギー・パワー・システムズの企業価値の向上を支援していくという。