「PERC型太陽電池」と「NanoGram PERC型」の構造の違い
「PERC型太陽電池」と「NanoGram PERC型」の構造の違い
 (出所:帝人)
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武漢帝尔激光科技股份有限公司(英語社名:Wuhan DR Laser Technology corp Ltd)
武漢帝尔激光科技股份有限公司(英語社名:Wuhan DR Laser Technology corp Ltd)
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 帝人は4月20日、武漢帝尔激光科技股份有限公司(中国・武漢市、英語社名:Wuhan DR Laser Technology corp Ltd、以下DR Laser社)と、変換効率の高い太陽電池セル(発電素子)の製造に向けたレーザードーピング技術を確立するため、戦略的に提携すると発表した。

 DR Laser社のレーザー設備と、帝人の開発したシリコンナノペーストを組み合わせることで実現する。中国・武漢市にあるDR Laser社の本社内に、専用のレーザー加工機と印刷機を備えたレーザードーピング試作センターを新設し、本格的に稼働を開始した。

 近年、従来の汎用的なシリコン結晶系太陽電池の裏面電極の構造を改良することで高い変換効率を得る「PERC型太陽電池」、中でも「PERL型」太陽電池の開発が活発になっている。PERL型は、裏面に絶縁層を持ち、より多くの不純物拡散層が裏面の電極の真下に部分的に配置されることで、シリコンウエハ内で発生する電気を効率良く集められる。しかし、PERL型は、複雑な製造工程などにより工業的な生産が難しいとされてきた。

 今回の提携により、シリコン結晶のための「NanoGram シリコンペースト」の最適なレーザードーピング条件の開発と、量産に向けたレーザードーピング装置を開発し、変換効率を向上させる「NanoGram PERC型」太陽電池の量産技術を確立するという。

 今後、両社は共同で、「NanoGram PERC型」太陽電池の量産化に向けた技術開発と、それに伴うマーケティング活動を推進する。これにより、「NanoGram シリコンペースト」を使用したレーザードーピング技術が、太陽電池セル製造においてデファクトスタンダードとなることを目指す。今後、急拡大が見込まれるPERC型太陽電池セルのレーザードーピングにおいて、3年以内に50%以上のシェア獲得を目指す。