セキュリティー関連システムなどを手掛けるサイトスタイル・システムズ(東京都新宿区)は4月20日、マレーシアにある日系企業の工場向けに、太陽光発電システムや省エネ部材・サービスを無償で導入し、電気料金の削減分から導入費用を回収する事業を開始すると発表した。

 マレーシアの子会社、アクアグリーンテックが、シンガポールのOCBC銀行(オーバーシー・チャイニーズ銀行)と協業して実施する。

 太陽光発電システム、日本製の遮熱塗料、空調機器クリーニングなどを組み合わせて、工場の電気料金を削減する。4月24日に事業を開始する。

 工場ごとのこれまでの電気料金から、必要な太陽光発電量や設置面積を算出し、導入する太陽光発電システム、遮熱塗料、保守費などの総投資額を算出する。

 OCBC銀行が審査の上、SPV(Special Purpose Vehicle:特別目的会社)に全額を投資し、そこからアクアグリーンテックを通じて設備や部材を顧客の工場に納品する。

 顧客の工場は、毎月の電気料金の削減分のうち、90%をOCBC銀行へ支払う。残り10%は、自社で確保できる。

 契約期間は20年間となる。また、マレーシア政府と投資開発庁による、2種類のグリーンエネルギー導入に対する優遇税制から、所得税減税(最高48%)を受けることが可能になる。

 初期投資なしで電気代削減、優遇税制、空調機器クリーニング、CO2削減などの利点が得られるほか、CSR(企業の社会的責任)への取り組みをアピールできるとしている。

 すでに3社が申し込み、6月にも発電を開始する。2017年度は100社の契約を目標とする。

 今後、6月にはインドネシア、8月以降はタイ、フィリピン、ベトナムの日系企業向けに展開していく。将来的には、導入した企業間でスマートグリッドの実証実験を実施し、突発的な災害や停電に対して、日系企業間や災害地域で電気を融通する予定としている。