土地の保水機能、排水に配慮

「軽米東ソーラー」 の完成予想図
「軽米東ソーラー」 の完成予想図
中央の高速道路を挟んで左側に「軽米西ソーラー」も完成する(出所:レノバ)
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 「軽米東ソーラー」の事業面積は約300haとなっている。ただし、その半分以上を森林として残し、実際に発電設備を設置する面積は約123haとなる。軽米町の「基本計画」などの再エネ導入方針を考慮し、林地開発許可で求められる規模以上に森林を残す。

 「軽米東ソーラー」の発電事業者となる特定目的会社(SPC)には、レノバ以外にも、NECキャピタルソリューション、芙蓉総合リース、三井住友ファイナンス&リースなど、複数の企業が出資する。

 新生銀行、みずほ銀行、三井住友銀行を主幹事とするプロジェクトファイナンスを組成し、岩手県の3行を含めた16行が融資する。

 EPC(設計・調達・施工)サービスは日揮、O&M(運用・保守)はミライト・テクノロジーズ(大阪市西区)が担当する。

 太陽光パネルはJAソーラー製、ハンファQセルズ製の2社の製品を採用した。設置する太陽光パネルは約29万枚、アレイ(パネルを架台に固定する単位)数は約1万となる。採用するパワーコンディショナー(PCS)のメーカーは未定。

 軽米西と軽米東では、いずれもEPCサービスを日揮が担当した。PCSは軽米西で一般的な集中型を採用したのに対して、軽米東では分散型の採用を予定する。

 分散型の小型PCSで交流に変換した後、集電箱を介してサブ変電所で2.2kVに昇圧して連系点に送電し、送電効率や施工効率を高める。このサブ変電所は、44カ所設ける。連系点で110kVに昇圧し、東北電力の特別高圧送電線に送電する。

 山林に開発することから、土地の保水機能の維持や排水対策も念入りに施す。排水対策では、敷地内に調整池を17カ所設け、25mプール換算で475個分の雨水を貯められるようにするという。

 また、さまざまな森林保全策、土嚢による堤、敷地外に排出する前に濁水をろ過・浄化する「バイオログフィルター」なども導入する。

■変更履歴
公開当初、「開発面積は約300ha、このうち、太陽光発電設備の設置面積は約123ha」としていましたが、約300haは「事業面積」で、約123haが「開発面積(太陽光発電設備の設置面積)」の誤りです。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2017/04/21 23:27]