太陽光関連事業者の倒産件数の推移
太陽光関連事業者の倒産件数の推移
(出所:東京商工リサーチ)
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 太陽光発電設備の製造・販売を手がけるZEN POWER(福岡市)は、2016年12月22日に福岡地裁へ自己破産を申請し、2017年4月5日に同地裁から破産手続き開始決定を受けた。負債は債権者約3人に対して約52億円。帝国データバンクによると、太陽光関連では今年最大の倒産という。

 同社は、2005年12月に設立し、当初はエスシパワの商号で情報機器用超薄型IC電源の開発を行っていた。2013年10月に現商号に変更するとともに、太陽光発電パネル製造・販売業へ業態変更した。日本製を強みに国内および海外向けに販売し、業績ピークとなる2014年12月期には約74億円の売上を計上していた。

 しかし、大口取引先だったドイツの企業に多額の不良債権が発生したことで資金繰りが悪化。また、欧州での太陽光パネル価格の下落、国内での再生可能エネルギー買取価格の引き下げなど太陽光市況が急激に悪化するなか、2015年12月期の売上高は約5500万円まで減少。同期末までに社員を解雇し、事実上の事業停止に追い込まれていた。

 東京商工リサーチは4月6日に、2016年度の太陽光関連事業者の倒産状況の調査結果を発表しており、それによると2016年度の倒産は68件で、過去最多を更新していた。2015年度の61件から、7件増えた(関連記事)。