三菱自動車社長の相川哲郎氏
三菱自動車社長の相川哲郎氏
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 走行抵抗が三菱自動車が燃費試験用に届け出た値と大きく異なる--2016年4月20日、燃費試験における不正が発覚した三菱自動車(関連記事)。そのきっかけになったのは、実は日産自動車から三菱自動車に寄せられた指摘だった。

 三菱自動車と日産は、軽自動車で協業関係にある。現在は、三菱自動車が開発・供給した軽自動車「デイズ」「デイズルークス」を日産が販売している。ただ、その後継車となる協業の次期軽自動車については、予防安全技術が得意な日産が開発することで2015年8月に合意済み。その開発のために、日産は同年11月にデイズの現行モデル(1号型)のJC08モードの燃費を計測していた。

 「届出値とかい離している」と11月に指摘を受け、12月に「合同で調査したい」との申し入れがあった。そして翌2016年2月、両社は合同で調査。その結果を分析し、同年3月に走行抵抗に約7%のかい離があることが判明した。その後、三菱自動車は、なぜそうしたかい離が出たのか社内で調査。意図的に走行抵抗を低くみせる操作が行われていたことを把握したという。同年4月13日、同社社長の相川哲郎氏に報告。同月18日に日産に報告した上で、同20日に国交省に届け出て今回の発覚となった。

  実は、今回の燃費不正は、走行抵抗を低く見せただけではない。走行抵抗の計測方法も、燃費計測で規定されている方法とは異なるものを使っていたという。