左の中段に、石垣や周辺に生えている草の緑が見える
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(出所:日経BP)
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竣工式の様子
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(出所:日経BP)
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挨拶するGPエナジー2の中地美智代・代表取締役
挨拶するGPエナジー2の中地美智代・代表取締役
(出所:日経BP)

 多摩川ホールディングスは4月18日、長崎県・五島列島の福江島において、出力約5.3MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)「荒神岳太陽光発電所」の竣工式を開催した。

 福江島は、五島列島で最も大きな島で、同列島の南西端に位置する。

 3月30日に九州電力への売電を開始していた。同社にとって、特別高圧送電線に連系する初の太陽光発電所となった。

 経済産業省には、太陽光パネル出力を500kW追加することを申請済みで、今後、設置作業に入る。この増設後の太陽光パネル出力は、約5.8MWとなる。パワーコンディショナー(PCS)出力は約5MWとなっている。

 発電事業者は、同社の100%子会社であるGPエナジー2となる。

 立地する土地は、福江島を古くから治めてきた五島家が所有する場所で、江戸時代には五島家の施設が建っていた。この土地を、五島家の第35代当主である五島典昭氏から借り、太陽光発電設備を設置した。

 敷地内には、石垣をはじめとする五島家が建設・管理していた歴史的な遺産が残っている。こうした文化財が残る場所には、太陽光発電設備を設置せず、かつ、文化財の保存や調査のために発電所外から直接、出入りできる通路を確保した。

 また、本州などに立地する一般的な太陽光発電所と異なり、地面は赤土に覆われている。

 電力系統規模の小さい離島では、メガソーラーの連系に伴う、周波数変動や需給バランスの維持が課題になりやすい。その点、五島列島は九州本土の電力系統と海底ケーブルでつながっており、福江島には特別高圧送電線が敷設されている。しかも、発電所の敷地内にその鉄塔が建っている。連系には恵まれている環境にあった。

 売電価格は36円/kWh(税抜き)で、発電設備の導入にはリースを活用した(関連ニュース)。

 EPC(設計・調達・施工)サービスは、ウエストエネルギーソリューション(東京都新宿区)が担当した。

 太陽光パネルは米サンパワー製を採用し、出力327W/枚品を1万6352枚並べた。

 パワーコンディショナー(PCS)は、東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を採用した。出力1.667MW機を2台、同1.666MW機を1台導入した。