仮囲い壁面に設置された太陽光発電システム
仮囲い壁面に設置された太陽光発電システム
(出所:カネカ)
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 カネカは4月18日、同社の「壁面型太陽光発電システム」が、大成建設の手掛ける気象庁虎ノ門庁舎(仮称)・港区立教育センター新築工事の現場に採用されたと発表した。作業所の仮囲いの壁面に導入された。現場終了まで設置される予定。

 壁面型太陽光発電システムは、ネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)向けに開発した製品で、高い意匠性や窓など開口部での採光性を確保できる。今回、仮囲いの壁面に導入された製品は、「シースルー太陽電池」(合計出力170W)と「低反射カラー太陽電池」(合計出力190W)で、独立電源システムとして構成した。

 シースルー太陽電池は、半透明で作業現場の内外からの採光性と視認性を確保できる。低反射カラー太陽電池は、太陽光の反射を抑えたことで都市部の光反射問題に対応した。また、建築物デザインに合わせて複数の色を製品化した。今回は、大成建設のコーポレートカラーをイメージした5色の太陽電池が採用された。

 それぞれの仕様は、シースルー太陽電池は出力85W/枚で開口率10%。サイズは1200×988×11mm、重さは30kg。低反射カラー太陽電池は出力17~21W/枚で、サイズは1000×300×69.5mm、重さは5.5kg。

 ZEBを実現するには、建築物の壁面への太陽電池の実装が必須となるため、建築物デザイナーの意匠要求に応えられる太陽電池の製品化が期待されている。同社では今後、公共建築物などでの採用実績を増やすとともに、独自の太陽電池製品と設計・工法の提案を強化していくとしている。