銀めっきアクリル粒子の拡大画像
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(出所:山王)
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 産業技術総合研究所(産総研)福島再生可能エネルギー研究所(FREA)は4月6日、地域の企業を主体とした再エネ関連技術の開発プロジェクトを公表した。「福島モデル太陽電池モジュール開発」など17件を選定した。

 これは、東日本大震災の被災地3県に所在する企業を対象とした支援事業「平成30年度被災地企業等再生可能エネルギー技術シーズ開発・事業化支援事業」によるもの。

 今回選定された「福島モデル太陽電池モジュールの開発」は、アンフィニを代表企業として山王、アサカ理研、クニミネ工業、さんのう、カナメが参加するコンソーシアム型の実施課題となる。

 産総研では、各テーマの詳細については非公開としているが、山王は独自のリリースを公表し、「福島モデル太陽光モジュールの開発」に関し、同社の見出した「銀めっきアクリル粒子」が開発テーマの一つになるとしている。

 「銀めっきアクリル粒子」とは、ニッケルめっきを行わずに、ダイレクトに銀めっきを施す技術で、さまざまな用途が考えられる。同支援事業では、これまで山王の「無電解銀めっきアクリル樹脂粒子を分散材とした導電性フィルムを用いて作製した薄型太陽電池セルでの信頼性評価」が選定された経緯がある(2014~2017年度)。

 このほかにも、2014~2017年度にはアサカ理研の「分子結合チタニアシリカを適用した太陽電池モジュールの屋外発電量および信頼性評価」とクニミネ工業の「粘土ガスバリア膜を用いた太陽電池バックシートの信頼性評価」が、2013~2015年度にはカナメの「両面薄型ガラスで構成された太陽電池モジュール用取付け部材の開発」が選ばれている。

 今回発表された被災地企業の技術シーズ開発・事業化支援事業(平成30年度)では、複数企業が参加するコンソーシアム型7件、個別企業型10件が選ばれた。

 太陽光関連では、「福島モデル太陽電池モジュールの開発」のほか、「結晶シリコン型太陽電池電極ペースト用ガラスフリットの改善」(AGCエレクトロニクス)、「PV点検支援システムの検証と機能改良」(日本カーネルシステム)が選ばれた。