ヨンショーピング市のメタン発酵施設
ヨンショーピング市のメタン発酵施設
(出所:Hitachi Zosen Inova)
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Kompogas技術を用いたプラントの例
Kompogas技術を用いたプラントの例
(出所:Hitachi Zosen Inova)
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 日立造船は4月12日、同社100%子会社のスイスHitachi Zosen Inova(HZI)がメタン発酵事業者としてスウェーデン市場に参入したと発表した。

 HZIは、同国ヨンショーピング(Jönköping)市から湿式メタン発酵施設・ガス充電設備「JEBIO1」を買収した。今後2年間は同施設を運営し、その間に独自の乾式メタン発酵技術「Kompogas」を用いたプラントを同市内に建設する。稼働開始は2020年末の予定。

 Kompogas発酵技術は、有機性廃棄物を嫌気状態で約55度の温度に保ち、微生物の働きによりバイオガスを発生させる。建設予定のプラントでは、乾式メタン発酵槽2基で年間4万tの生ごみ・剪定枝などを処理し、35GWhのバイオガスを生成する。

 生産したバイオガスは、HZI子会社の独Hitachi Zosen Inova BioMethan(HZI BioMethan)の設備により高純度のメタンガスに精製され、輸送用燃料(CNG)として販売する。発酵過程で生じた固形堆肥は市が引き取り、液肥は地元農家に販売する予定。

 同社では、HZIの新プラント建設およびHZI BioMethanのバイオガス精製により、ヨンショーピング市内の公共輸送機関は事実上、生ごみ・剪定枝などバイオマス由来のエネルギーで運営可能になるとしている。