住宅用や業務用、2020年には10万円/kWhに

 太陽光発電の買取期間が終了する住宅は、2019年に40~50万軒に達する。2020年以降も年間15~30万軒の住宅で買取期間が終了する。買取期間の終了した住宅では、買電から自家消費に移行する需要が高まるとみている。

 太陽光発電システムのパワーコンディショナー(PCS)を買い換え、蓄電システムと共通化されたPCSを導入する動きも出てきている。太陽光発電と蓄電システムで同じPCSを使うため、1台ですむ。

 PCSは耐用年数が10~15年となり、買取期間の終了後も使い続けるには、交換の必要な時期が来る。買い替えを前倒しし、かつ、蓄電システムと共通化したPCSに交換し、蓄電システムの導入が進むと予想している。

 買取期間が終了する住宅のうち、2019年度は15%程度が蓄電システムを導入し、その後、この比率が徐々に高まり、2024年度には3割程度に拡大すると予測している。

 公共産業用は、2016年は94億円の市場となったと見込んでいる。2015年度までは9割以上、2016年度は8割以上が、グリーンニューディール基金制度(再生可能エネルギー等導入推進基金事業)向けの販売が占めた。

 同基金の予算枠に応じて市場が推移しており、同基金が終了する2017年度は一時的に市場が落ち込む。

 しかし、VPP向けの需要拡大、価格低下に伴い、2018年度から市場が回復し、2020年度は360億円、2024年度には966億円まで拡大する。

 蓄電システムの価格動向も予測した。国の助成、EVも含む需要の増加に伴う量産効果による製造コストの低減、施工費の削減などによって、蓄電システムの導入コストが低下するとみている。

 住宅用と業務用の原単位当たりの価格(施工費含む)は、2016年度の23.2万円/kWhから、2020年には10万円/kWh、2024年には9万円/kWhと低減し、2020年頃には経済的な利点が得られる水準になると見込んでいる。