米保険業界の非営利団体であるIIHS(Insurance Institute for Highway Safety)は2017年4月、10代の運転者に推奨する中古車リストを更新した。

 10代の運転者は、他の年代に比べて事故率が高い。安全性能が高い車両に乗るべきだが、先進安全機能を搭載した新車は高価である。そのため、10代運転者の保護者の多くは、子ども用の車両として中古車を選択している。IIHSは2014年に保護者への指針として、手頃な価格で安全性の高い中古車リストを発表した(関連記事)。

 基本原則は前回と同じで、(1)高出力エンジンではないこと、(2)衝突保護性能の低い小型車ではなく、大きく重い車両であること、(3)横滑り防止装置は必須──の3項目である。今回は、前面衝突のスモールオーバーラップ試験の評価を含めて、新車時に衝突安全性が高いと評価されたモデルが選ばれた。

 上記の条件に加え、10代の運転者向けの「グッドチョイス」は価格が1万ドル以下であること、オーバーラップ前面衝突、側面衝突、ヘッドレスト形状の評価が「Good」であることとした(表1)。さらに、安全を求めるユーザー向けの「ベストチョイス」は、価格が2万ドル以下でグッドチョイスの条件に加えて、スモールオーバーラップ前面衝突と、横転時に室内空間を確保するためのルーフ強度で「Good」評価が必要となる(表2)。NHTSA(米運輸省高速道路交通安全局)試験では、どちらのリストも2010年型までの古い評価試験で前面衝突および側面衝突が「四つ星」か「五つ星」、2010年以降の全体評価が「四つ星」か「五つ星」でなくてはならない。